コネクタに発生するブリスター
ブリスターが発生する原因
プラスチック製パーツに発生したブリスター例
![]()
ブリスターが問題となる理由
アミド結合を持つポリアミドはどれも吸水性を有しています。この 吸水性 は、特定の長さのポリマー鎖に含まれるアミドグループ数によって異なります。スタニールは、このアミドグループの数が非常に多いため、優れた機械的強度、靭性、耐熱性を発揮しますが、湿気の多い環境下ではそれだけ吸水性が高くなります。また、他の大半のポリアミドも、吸水性が低いとは言え、吸水性がまったくないわけではなく、高温はんだ工程、特に鉛フリーはんだ工程の苛酷な環境でブリスターが発生します。ブリスターの原因はそれだけではありません。ポリマーに含まれる添加剤や揮発性物質も、ピーク温度でブリスターを引き起こします。 ブリスターは LCP にも生じますが、他の原因によるもので、発生しないこともあるため、予測不可能です。ただし、流動性に優れたこの LCP を肉厚 0.1mm までの薄肉コネクタに使用すると、ブリスターが生じやすくなります。また、リグラインドを使用すると、ブリスターが発生しやすくなる材料もあります。たとえば PA9T は、再生材の使用によってブリスターが生じることが分かっています。詳細は ここをクリックしてください。
PCB が 260°Cのピーク温度に達すると、mPGA ソケットハウジングや市販のカードコネクタにブリスターが発生
スタニール を材料とするパーツにブリスターが発生する唯一の原因は、水分です。つまり、最高温度に達しないうちに水分をパーツから除去または放出できれば、スタニール を使用したパーツにブリスターが発生しないことになります。 これまで、表面実装はんだ付け工程には IC パッケージにブリスターが発生するという問題がありました。このような不具合を解消することを目的として、感湿やパッケージ要件に関する JEDEC 業界標準規格が策定されました。
![]()
ブリスター対策
ただし、スタニール を使用して、0.5mmを超える肉厚のパーツを製作した場合は、設計要因と環境要因が重なった特殊なケースでブリスターが生じることがあります。このような問題は、以下の対策をとることで回避することができます。
• はんだ付け工程前にコネクタ部品を
予備乾燥する。 PPA、PA6T、PA9T といった他の材料も、ブリスターが生じにくいと言えますが、リスクがないわけではありません。鉛フリーはんだを使用する場合には、特別な対策を講じないと、安全性と品質を確保できません。たとえば、防湿パッケージによる対策には同様の効果がありますが、これらの樹脂は スタニール と比べ水分の脱離に時間がかかるため、予備乾燥は長時間行う必要があります。 現在では、コネクタの絶縁材料にブリスターが発生すると大きな問題に発展するため、マテリアルソリューションが登場しています。大手コネクタメーカーは、標準化されたソリューションの導入が最善策であると考えています。それとともに、絶縁樹脂を選択する際に、ブリスターという一過性の問題よりも、コネクタの寿命がくるまで使用できる材料であるかどうかという基本的な問題に注意が向けられるようになりました。こうしたニーズに対応するのが スタニール です。様々な優れた性能を発揮するとともに、コネクタに要求されるすべての条件を満たし、システムコスト削減を実現する スタニール の右に出るものはありません。
ブリスターの発生を左右する設計
スタニールを材料とする肉厚 0.5mm 以下のパーツは、予備加熱段階で水分を放出するため、どのようなはんだ付け工程で加熱しても、ブリスターが発生することがありません。 しかし、肉厚が 0.5mm を超えると、ブリスターが生じることがあります。また、設計以外にも、はんだ付け条件がブリスターに影響します。そこで DSM では、このような肉厚パーツに発生するブリスターを予測できる技術を開発しました。この技術を導入するとともに、弊社の Connector Competence Centerの設計支援を受ければ、ブリスターのリスクを排除したり明確に特定したりすることができます。 詳細は、弊社 にお問い合わせください。 |


