スタニール®の耐熱性スタニールは、PPS、ポリスルホン、PEI、LCP などの高温材料と同等、また PA6、PA66、ポリエステルといったエンジニアリングプラスチックを上回る耐熱性を備えています。高温環境で優れた機械的性能を発揮できるという点では、これらの材料を凌駕しています。このためスタニールは、広範な温度に対応する材料を必要とする今日のハイテク産業に最適な材料と言えます。 熱可塑性部品を設計する場合には、特定の環境条件下で材料の特性が低下することによって、部品に要求される性能が損なわれることがないか確認する必要があります。たとえば、大半の物性は、温度が上昇すると低下し、熱劣化 も発生します。したがって、時間の長短に関係なく高温にさらされても、物性が低下しない材料であるか十分に検討する必要があります。
短時間の耐熱性
曲げ弾性率と温度の関係
スタニールとLCPの荷重たわみ温度(HDT)
長時間の耐熱性
このようにして測定した結果は、様々な方法で確認できます。相対的な方法をとるのであれば、保持レベルのほか、CUT (連続使用温度) や RTI (相対温度指標) といった相対的指標が有効です。絶対的な方法で確認したい場合には、ARO (Absolute Real Operating) 値を使用します。たとえば、数千時間の間 150°C で時効させたあとに 150°C (300ºF) の温度で測定し、特性を絶対値で表示するといったことができます。
170°C熱劣化試験後、170°Cでの引張強度
自動車業界で選択基準としてよく利用されている CUT (連続使用温度) は、特定の機械的特性 (通常、引張り強度や耐衝撃性) が、一定の期間内 (500、1000、5000、10000、または 20000 時間) に 50% 低下した温度のことを言います。この CUT の測定では、剛性と引張り伸びが除外されます。剛性は、熱劣化 後に大きくなるだけであり、引張り伸びは、材料に関係なく急激に低下するからです。 ちなみに、ガラス繊維 30% 強化 グレードの CUT は 5000 時間で 175°C です。これは、175°C で熱老化し 5000 時間後に引張り強度が 50% 低下するということになります。また、CUT は熱老化時間によって異なります。下の表を参照してください。 スタニールと競合樹脂の耐熱劣化性および高温時の剛性 (ガラス繊維30~33%強化グレード)
電気・電子業界でよく使用されているのは、UL の RTI (相対温度指数) です。RTI は、60,000~100,000 時間もの非常に長い半減期を対象とする CUT とも言えます。ちなみに、ガラス繊維30%強化、耐熱性グレードの RTI は、140°C (280ºF) です。 また、様々な材料をリアルに比較したい場合には、熱劣化後の ARO (Absolute Real Operating) 値を求める必要があります。CUT や RTI では、特性の維持のみを考慮に入れ、しかも熱劣化 後の特性を常温でしか測定しないという大きな欠点があるからです。たとえば、最初に性能が非常に低くても、この性能を確実に維持する PPS などの材料 (下のグラフを参照) は、最初に性能が高くても、後に性能が低下する他の材料よりも CUT が高くなります。しかし、絶対値から見てみると、後者の材料は熱劣化 後に前者の材料の性能を上回ることがあるのです。 また、特性を常温でしか測定しない CUT では、高い耐熱性を発揮することが期待されている材料を正確に評価することができません。
スタニールと競合樹脂の引張強度比較(150°C で劣化試験後)
上の表と下のグラフに示した ARO 値から分かるように、スタニール は、150°C (300ºF)での熱老化後でも、PA66、PPA、PPS より優れた性能を発揮します。 |







