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社長ブログ  

長期的な視点を確認する一年に

Tokyo, JP, 23 January, 2019

皆様、明けましておめでとうございます。気持ちを新たに、新年の仕事をスタートさせた方も多いかと思います。2019年が皆様にとって素晴らしい年になることを祈念しています。

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さて、巷では2019年の見通しがよく語られていますが、あまり良い話が聞こえてこないように感じています。中国では自動車やスマートフォンの販売が前年度比で二桁減少し、米中の貿易摩擦は依然として不透明感が色濃く、これが世界の景気減速の一因になると考えられています。国際決済銀行は昨年12月に世界的な株安傾向は継続するとの見通しを発表。米国では、景気減速に備えて金融引き締めが継続しています。また、世界各地で政党政治の分極、貧富の格差拡大、社会の分断が議論されています。

このように、一般的にはあまり見通しの良くない環境ではありますが、他方、見通しが悪いときには、悪いときなりの知恵が昔からあるようにも思います。私は学生時代、山岳部に所属していたのですが、例えば夜の山道を登る際の技術に「夜目を利かす」と言われるものがあります。夜歩くときには敢えて目を凝らしたりせず、なんとなく、ぼんやり全体と周りを見渡すようにすると、だんだん風景が見えてくる。これは「そらし目」とも言われる技術で、人間の目は構造上、一つの物をじっと見続けているとだんだん見えにくくなります。天体観測をする時なども、視点を少しずつずらして見ることで、逆に星雲や星団などの全体像がはっきり認識できるようになります。この技術はアリストテレスの時代から知られていたとも言われています。

2019年の見通しについても、少し視点をそらしながら、周辺を含めて見てみると、却っていろいろ見えてくるものもあるように思います。昨年は日本でも多くの災害に見舞われました。個々の災害の被害の甚大さはもちろんですが、災害の数を振り返ってみても、全体として拡大していることがわかります。こうした地球規模の長期的な問題に対処するためにも、国連では国際社会が目指すべき目標として「持続可能な開発目標(SDGs)」を定めたわけです。多くの国、企業がSDGsに賛同しています。始めは小さな動きだったESG投資の考え方も、今では非常に重要な視点として市場で認識されています。

近い将来よりも遠い将来のほうが予測しやすいということはよく言われています。これは、近未来の出来事はボラティリティーが高い一方で、大きなメガトレンドはそう変わらないためです。こう考えると、多少の景気のアップダウンはあっても、持続可能性の実現を目指して国や企業が取り組みを強めていくという長期的なトレンドは変わることはないでしょう。

DSMはこの長期的な視点を経営の軸としています。社会の課題に対して、科学的な知見と技術でソリューションを出ししていくことを使命としています。景気のアップダウンに惑わされず、「昨年から会社として何が進歩したのか?」「昨年はできなかったけど今年できるようになったことは何か?」など、長期的な視点から日々の前進のチェックを怠らないように心がけたいと思います。

Twitter: @yuji_nakahara