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植物由来の高機能樹脂ForTii®Ecoを発売開始  

Tokyo, JP, 16 8 2016 04:00 CEST

石油由来樹脂と同程度の価格で、同等の性能を発揮

従来のポリフタルアミドでは難しかった極薄部品に対応し、スマホの高性能化に貢献

ライフサイエンスとマテリアルサイエンスのグローバル企業であるDSM社(以下、DSM)は、植物由来の高耐熱性ポリフタルアミド『ForTii®Eco』を開発しました。また、ForTii®Ecoシリーズの第一弾として、優れた流動性から従来のポリフタルアミドでは使用が難しかった極薄部品に対応するForTii®Eco E11、ForTii®Eco E61、 ForTii®Eco LDS62の3種類のグレードを発売開始します。

ForTii®Ecoは、植物由来でありながら、石油由来のポリフタルアミドと価格が大きく変わらず、同等の性能を発揮することが特徴で、DSMでは性能のバランスが異なる石油由来のポリフタルアミド(ポリアミド4T)の『ForTii®』と用途ごとに使い分けながら展開していきます。この度発売する3種類のグレードは、耐熱性や機械的特性、流動性などに優れる性能のバランスからより薄い部品の製造に適しており、年々薄化が進むスマートフォンなどに使われるアンテナやコネクタといった極薄部品での使用が見込まれます。また、電子業界以外にも環境性能への需要が高い自動車業界など幅広い業界での利用が想定されています。

なお、日本市場向けの用途開発やグレード開発は横浜市の研究拠点JTCを起点に手掛ける予定で、3種類のグレードによる適正の幅広さを活かしながら、スマートフォンの重要部品や自動車部品で世界をリードしている日系メーカーを素早く、綿密にサポートしていきます。また、特にBCP(事業継続計画)やグローバル生産を手掛ける日系各社への利点として、世界中にある供給拠点を活かした素早く安定的な供給を展開していきます。

<参考資料>

ForTii®Eco:独自技術により、石油由来と価格が大きく変わらず、同等の性能を発揮

植物由来の樹脂は、石油由来より価格が高いことや性能が劣ることが普及の妨げとなっていました。その中で、DSMはEcoPAXX™やArnitel®Ecoといった植物由来の高機能樹脂の提供実績が多く、そこで培った用途開発等の豊富な経験から、低価格で植物由来の樹脂を製造する独自技術を開発しました。その技術で開発したForTii®Ecoは、持続可能性の向上に貢献するとともに、ポリアミド4Tやポリアミド6T、ポリアミド10Tといった石油由来のポリフタルアミドにはない特徴を持つことから、ポリアミドよりも優れた性能を発揮するポリフタルアミドの用途を広げることが期待されます。

3種類のグレード:優れた流動性から、極薄部品に対応

現在、スマートフォンは毎年平均12%薄くなる一方で、処理スピードや機能性は向上し続けており、スマートフォン向けの部品には小型化・高性能化が求められています。そのため、素材となる樹脂にも高機能が求められており、溶融樹脂が狭い金型内に行き渡るための高い流動性などの加工容易性や、部品が小さくても機能を 発揮するための機械的強度、絶縁性、耐久性、難燃性といった性能が要求されます。

これまで、極薄部品には、高い流動性や一定の機能を備える液晶ポリマーがよく用いられていましたが、耐衝撃性や耐摩耗性が低いという欠点がありました。また、石油由来のポリフタルアミドは、機械的強度、絶縁性、耐久性、難燃性といった性能は十分に発揮するものの流動性が低いため極薄部品への適用は向かず、一方で、従来サイズの部品で用いられることが多かったポリアミドは、機械的特性や難燃性等の性能がポリフタルアミドより劣ってしまいます。

ForTii®Ecoは、機械的強度、絶縁性、耐久性、耐熱性*1、難燃性*2などの性能が高いことから顧客企業の高度な要件もクリアし、耐湿性の高さからどのような使用条件下においても高性能を発揮します。また、耐久性の高さとはんだ耐熱性*1から加工条件が幅広く、さらに高い流動性*3を誇るなど、加工容易性にも優れています。

*1 耐熱性:融点325℃、荷重たわみ温度(DTUL) 300℃。はんだ付けでは一般的に260℃程度が求められる。

*2 難燃性:0.4mmの薄さで、UL94規格V-0

*3 流動性:石油由来ポリフタルアミドの1.4倍~1.7倍程度(当社比)

一般的なポリアミドよりも高性能であることを特徴とする石油由来のポリフタルアミドと同レベルの性能を発揮し、また、競合製品のポリアミド6Tやポリアミド10Tを含めたポリフタルアミドよりも加工容易性に優れたForTii®Ecoは、高耐熱性ポリアミドの次世代製品と言える製品です。

■DSMのECO+製品

現在、毎日350,000台のスマートフォンが廃棄されるなど大量消費が続く中で、各種製品に持続可能性を求める声が高まっています。そうした背景を踏まえ、スマート機器のケーブル、コネクタ、フレーム、アンテナ等に使用されているDSMの製品は、既にハロゲンフリーや赤リンフリーを実現しており、さらに、一部もしくは全てが再生可能資源由来のArnitel®Eco(熱可塑性エラストマー)とEcoPaXX™(ポリアミド410)も供給しています。石油由来樹脂のソリューションと比べてもより高いパフォーマンスを発揮するForTii®Ecoにより、スマート機器の更なる環境性能向上に貢献するとともに、バイオベース・プラットフォームを強化することで、植物性樹脂をはじめとする 環境低負荷な樹脂の普及をリードする考えです。

■再生可能な原材料

C10の化学特性を組み入れるためにトウゴマの種子を使用しており、原料となるポリマーの30%~60%を占めています。また、コンパウンド後の重量比で10%から25%の植物含有となっています。

■グレード詳細

ForTii®Eco シリーズの第一弾として、ForTii®Eco E11、ForTii®Eco E61、 ForTii®Eco LDS62の3種類のグレードを同時に発売開始します。全てのグレードがハロゲンフリーであり、非常に高い流動性と優れた機械特性や絶縁性、難燃性によって、スマートフォンに用いられるような薄い部品にも対応します。

【主な用途】

  • ForTii®Eco E11、ForTii®Eco E61
    USB Type-Cやオーディオジャック、DCジャック、モジュラージャックなどに使用されます。

  • ForTii®Eco E61
    表面実装技術(SMT)を用いたコネクターなどに使用されます。

  • ForTii®Eco LDS62
    ポータブル電子機器で使われるアンテナやRFIDセキュリティケース、スイッチなどにより適しています。費用対効果が高い成形回路部品(MID)製造方法として急成長を遂げているレーザーダイレクトストラクチャリング(LDS:3次元配線形成技術)に対応しており、非常に質が高く、精密な電気回路を製造することが可能で、特に、モバイル製品のアンテナには理想的な製品です。また、他のLDS対応ポリマーよりも総合的に性能に優れており、高い絶縁性と優れた表面品質、機械的強度を併せ持った 部品を製造することができます。

DSM Engineering Plastics社 ForTii®担当ビジネスマネージャー Konraad Dullaert(コンラート・デュラート)のコメント;

データ処理速度が上がり続けている中で、ForTii®のように安定した比誘電率と損失係数を持ち、信号損失を 抑制する絶縁素材への需要が高まっています。

DSM Engineering Plastics社 マーケティングマネージャー John Hsieh(ジョン・シェイ)のコメント;

ForTii®Ecoの開発は、製造事業者にとって高い重要性があります。加工特性が改良されたことで、コスト削減をサポートしながら、従来通り、OEMの要求を満たした部品を製造することが可能になりました。OEM各社に、バイオベース素材の持つ市場価値、そして、薄い部品の設計を実現する性能を実感していただけると考えています。

ForTii-1
ForTii-2

DSM – Bright Science. Brighter Living.™

DSM社は、科学をベースとして健康、栄養、材料分野で活躍しているグローバル企業です。ライフサイエンスとマテリアルサイエンスにおける独自の技術を組み合わせることで、経済的繁栄、環境問題への取り組み、そして社会の発展を促進し、DSMと関わる全ての人々にとって持続可能な価値を創造します。また、DSMは食品や栄養補助 食品、パーソナルケア、飼料、医療機器、自動車、塗料、電気・電子機器、ライフプロテクション、代替エネルギー、バイオベース素材などのグローバル市場において、顧客企業の業績向上・維持に貢献できる革新的なソリューションを提供します。年間の純売上高はおよそ100億ユーロ、社員数は25,000名で、Euronext Amsterdamに上場 しています。

詳細については www.dsm.com をご覧ください。

* 本リリースは2016年4月13日にDSM社から発表されたプレスリリースを抄訳したものです。

プレスリリース