風力発電の新時代:世界で最も野心的なヘビーリフティングプロジェクトの内側

40本のモノパイル、120のセグメント、1本あたり最大2,400トン。厳しい納期。過酷な条件。安全性に妥協は許されません。

再生可能なエネルギーの市場が拡大し続ける中、風力発電の範囲と規模はますます拡大しています。風力発電所を効率的にするということはその構造物を大型にすることを意味します。現在の風力発電タービンの重量は1基あたり数千トンにもなります。

雲林洋上風力発電所は、このような新しいメガインフラプロジェクトの一つです。台湾西海岸沖8kmに位置する640MWの開発プロジェクトで、完成すれば国内最大級の規模となります。現在建設が進められていますが、このプロジェクトで最も重要な要素の一つは9,000km以上離れたドイツ北部で行われています。

エネルギーの転換を実現

世界最大級のモノパイルの製造拠点、スティールウィンド・ノルデンハム(Steelwind Nordenham)社がある、凍てつく風吹きすさぶ北海海岸の午前1時。一帯のスカイラインを埋め尽くす堂々としたこの製造ユニットは、世界中の風力発電所に貢献しています。

施設内では、高強度鋼板からモノパイルが製造され、完成後に工場側の積み込みドックに移されます。ここでは、巨大なクレーンがモノパイルを船に乗せて海上輸送する準備をします。

この巨大な構造物の移動には、精密に設計されたリフトが必要です。リフティングチームには、それぞれに異なる任務があります。貨物と乗員の安全を確保するために微調整を行いながら、ドックサイドに沿って常に移動し続けます。風雨が吹き荒れる中、安全性を妥協することなくプロジェクトの厳しい期限を守るために、道具、機器、そしてお互いを頼りにしています。

安全第一

積み込みドックを見渡すのは、スティールウィンド・ノルデンハム社のマネージングディレクターであり創設者でもあるフーボ博士(Dr. Hubo)は、「当社のモノパイルは非常に大きく、最大直径11メートル、長さ90メートル、重量2,400トンに達します」と述べています。

「重要な課題は、このような大きな重量を安全に取り扱うことです。当社の積み込み工程は非常に早いので、絶対的な安全性が求められます」 スティールウィンド・ノルデンハム社 マネージング・ディレクター、フーボ博士

雲林プロジェクトの納期は厳しく、このことはスムーズで効果的なリフティング工程の実現ためにプレッシャーがかかることを意味します。80基のタービンで構成される雲林プロジェクトでは、モノパイルの製造と輸送は一年中行われています。これは、様々な困難で変化しやすい気象条件の中でリフティングが行われていることを意味します。

さらに、ノルデンハムの現場では、潮の満ち引きにより操業時間を特定の短時間しか設定することができません。この種の作業に必要な巨大輸送船が、巨大で重量級の貨物を安全に積み込んでから出発できるようにするためです。

重要なリンクを提供

雲林プロジェクトの重量物用スリングメーカー、リフトテックス(Lift-Tex)社のオペレーション・エンジニアリング責任者であるパトリック・ファン・デル・ヴェーン(Patrick van der Veen)氏は、「この規模のリフティングプロジェクトで最も重要なのは、クレーンフックとモノパイルの接続です。」と述べています。同氏は寒さをしのぎながら、自分や近くの作業員が小人のように見える巨大なモノパイルがスリングにしっかりと収まっているか確認しいます。

「このプロジェクトでは、エクストリーマ(Extreema)®ラウンドスリングを使用しています。40本のモノパイル本体と120のセグメントを吊り上げる必要があるため、信頼できるスリングが必要であり、それがダイニーマ®SK78を選んだ理由です。ダイニーマ®は高品質で安定していて耐用年数が長く、作業の安全を保証してくれます。非常に軽量なリフト製品を作ることができます。これは、取扱いにかかる時間とエネルギーを大幅に節約でき、クレーンのペイロードに加わる重量が小さいということです。」

軽量スリングを使うことで、リフト作業員は専門的な機器を必要とせず、また貨物を損傷させることなく、モノパイル周囲の正しい位置にスリングを簡単に操ることができます。リフティングを安全で効果的な行えるようにするには、スリングをモノパイルの90mの長さに沿って正確な位置に配置しなければならならないため、これはリフティング工程の大幅なスピードアップに役立ちます。この使い易さはまた、作業員の負担を軽くし、リフティングチームの安全向上にもなります。

「ダイニーマ®SK78は耐久性と信頼性の点でも最良の選択です」とファン・デル・ヴェーン氏は言います。「スリングの想定耐用年数は、リフティング用途の設計と使用方法によって異なりますが、スティールウィンドの場合、DSM社との共同研究に基づいて、少なくとも3,500回のリフティングが可能であると計算しています。」

「この種の要求の厳しいリフティング作業には、ダイニーマ®SK78ファイバー以外の使用はお勧めできません」リフトテックス・インダストリー社 オペレーション・マネージャー、パトリック・ファン・デル・ヴィーン氏

クラス最高である理由

ダイニーマ®を使用したリフティングスリングは、代替素材と比較しても優れた性能で他にも様々な利点があると、DSMプロテクティブマテリアルズのアプリケーションマネージャーであるジュディス・ボッシュ(Judith Bosch)氏は、「ダイニーマ®ファイバーは優れたUV特性を持ち、-40℃~70℃の低温・高温環境で利用できます。高温下でのダイニーマ®の性能に不安がある場合は、どのような用途や地域にも合う性能モデルを揃えています。」

「ダイニーマ®をお選びいただくことにはサステナビリティの面でもメリットがあります。用途によって耐用年数が長くなるというのはありますが、『最も環境に優しい強度』と称しているのは、単位強度あたりの二酸化炭素排出量が最も少ないからです。また、2030年までに生産量の60%をサステナブルな原料にするという約束の下、ダイニーマ®をバイオベースにすることもできます。」

しかし、あらゆるものの中心にあるのは性能であり、いざというときにも、初めてリフティング作業からも、そのことが重要です。「ダイニーマ®はスチールの8倍軽く、取扱いにかかる労力を大幅に軽減します」とジュディス氏は述べています。

「ポリエステルと比較して重量は3分の1、直径も半分で、かさばらないため、取扱いが簡単で、関連機器にもフィットします。さらに、伸縮性が少ないため、精密な位置決めが要求されるこのような状況下では非常に重要です。他のHMPE(超高分子量ポリエチレン)を見てみると、ダイニーマ®を使用したスリングの耐用年数は少なくとも2倍以上です。」

「信頼性と長い耐用年数を合わせて提供することから、ダイニーマ®を使用したリフティング用途の製品は、消耗品ではなく非常に価値のある資産とみなされるべきです」DSMプロテクティブマテリアルズ アプリケーション・マネージャー、ジュディス・ボッシュ氏

確実な納期

現在午前2時。雪が降り始め、潮が引くにつれドックは空になり始めています。そしてこの巨大な貨物を船に載せるための開口部が閉まります。このようなタイトな納期と厳しい気象条件の中では、すべてが正確に運ぶことが必要で、すべての作業員は機敏に準備をしなければならず、すべての機器が完璧に機能しなければなりません。

チームと道具への信頼がなければ、このような重量物のリフティングプロジェクトは不可能であり、風力発電の新時代の約束は遠いものになってしまいます。

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