シーウェイ・ヘビー・リフティングがスコットランド沖で84基の新しい風力タービンの設置を支援するよう要請された際、納期が厳しく安全が重視されていたため、輸送に関して唯一選択できたのは、ダイニーマ®を使用したラッシングチェーンでした。
ダイニーマ®を使用した軽量のラッシングチェーンは、健康、安全性、品質の面で大きな利点がある上、全体的なコストを低減できます。シーウェイ・ヘビー・リフティング(SHL)はベアトリス・オフショア風力発電所のために、ダイニーマ®を使用してヴァン・ビーストB.V.が供給しているグリーン ピン タイキャン®チェーンを使用し、基礎杭を効率よく現場まで移動しました。
ベアトリスは588メガワットのオフショア風力発電所で、スコットランドのアウターモレー湾に建設されており、あらかじめ杭を打ったジャケット基礎上の84基の風力タービンで構成されています。稼働後、ここで生成された電力は33 kVアレイケーブルを介して2つのオフショア送電用モジュールに集められます。この風力発電所は完全に稼働すれば、おおよそ47万軒分のニーズに相当するエネルギーを供給することになります。
ベアトリスに関して、SHLは海底海面エンジニアリング企業のサブシー7と協力しました。SHLは共同で84基の風力タービンのジャケット基礎とアレイケーブルの管理、設計、エンジニアリング、製作、設置を担い、オフショア送電用モジュールを輸送して据え付けました。この中にはジャケット用の336本の杭も含まれていました。
最大の課題は厳しい納期でした。杭は3ヶ所(ドイツの1ヶ所とオランダの2ヶ所)からベアトリスの現場まではしけで輸送する必要がありました。現場に到着後、杭(それぞれ重量は約150 mT)はSHLの優れた重量物リフティング用船舶「スタニスラフ・ユディン」で設置されます。
輸送用に杭をしっかり固縛するには、長さ16m、最小破断荷重(MBL)20トンのチェーンまたはストリップが必要でした。鉄製の場合、各チェーンの重さは64kgで、はしけ上にチェーンを配置するにはクレーンが必要になります。また、これでは時間もかかりすぎてしまいます。
解決策は、ダイニーマ®を使用した軽量のラッシングチェーンを使用することでした。SHLはすでに重量物用スリングと曳航用ラインでダイニーマ®を使っていたため、、容易な選択だったとSHLは言います。64kgの鉄に比べ、必要な20トンのMBLを備えた16mのグリーン ピン タイキャン®チェーンの重量はわずか10.2kgです。クルーは、はしけの片側からもう片方に向けて繊維ラッシングチェーンを杭の上に投げるだけで済み、クレーンは必要ありませんでした。ダイニーマ®の繊維ラッシングチェーンの使用には、このほかにも取り扱い上の利点もありました。「鉄製チェーンの使用を検討しなかったもうひとつの理由は、鉄製チェーンが杭からすべり、はしけの下の方に落ちてしまう傾向があったためです」とSHLのインストレーションエンジニア、ウーター・ブート氏は説明します。「それを拾い上げるには、さらなる時間とコストがかかります。」
グリーン ピン タイキャン®チェーンに切り替えたことにより、SHLではダイニーマ®ファイバー技術を3つの異なる用途で使用していることになります。ダイニーマ®を使用した重量物用スリング(破壊強度は500t~3000t)、ダイニーマ®の曳航用ライン、そして、丈夫な固縛用のダイニーマ®繊維ラッシングチェーンです。「鉄製品はもう固縛とリフティングでは使いたくありません」とSHLプロジェクトエンジニアのフリッツ・ヴァン・ドルスト氏は言います。SHLプリンシパルエンジニアのダーク=ヤン・マタール氏も「この用途では繊維ベースの軽量な製品のみを使用したい」と同意しています。
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