再生可能エネルギー巨大プロジェクトの未来

再生可能エネルギーの未来を実現すべく支援しているダイニーマ®

世界中でエネルギー消費量は増加しています。益々人口が増え、世界各地の産業化は進み、この傾向に拍車がかかっています。

国際エネルギー機関は、 世界のエネルギー需要が2018年には2.3%増加し、この増加のうち化石燃料が約70%を占めていたと報告しています。しかし、化石燃料に永遠に依存し続けることはできないという認識が高まっています。国際再生可能エネルギー機関によると、2018年までの10年間に再生可能エネルギー能力は確実に増え、世界的には 171 GWが追加され、年間の増加率は7.9%でした

全体的には、世界の再生可能エネルギー電気能力は2018年に2,351 GWに達しました。これは設置済みの総電気能力の約3分の1にあたります。この数値は毎年増えており、世界中で将来のエネルギー要件を満たすために再生可能エネルギーの巨大プロジェクトが行われています。このような新規プロジェクトでは膨大な財政投資が必要になり、多くの場合は既存の素材やエンジニアリング能力の限界に迫っています。再生可能エネルギーの巨大プロジェクトが今後、実現できるようにするには、最先端の抜本的なソリューションが必要になります。

世界最大規模の再生可能プロジェクトを支援するダイニーマ® 

DSMは25年以上にわたり、オフショア・海洋業界向けにダイニーマ®  SK78およびDM20のような高性能繊維グレードの軽量化ソリューションを提供してきました。

現在、ダイニーマ® のソリューションは世界で最も野心的な再生可能エネルギープロジェクトで利用されることが増えています。

これは特に、世界中の海岸線で建設されている多くの大型風力発電所で顕著です。このようなプロジェクトでは、ダイニーマ® を使用したリフティング・ラッシングソリューションによって据え付けが迅速になり、作業員の負傷や壊れやすいつり荷重(ナセルや風力タービンのブレードなど)の損傷が生じる可能性を低減できます。

ダイニーマ® を使用した繊維スリングは、同じ強度の鋼鉄製スリングに比べて8倍まで軽くなります。ダイニーマ® を使用した繊維スリングソリューションは重量比強度が優れているため、スリングの重量とサイズが大幅に低減するとともに、これを使用するためのクルーの活動も削減できます。

軽量リフティング用スリングに切り替えて風力発電所の設置日数を短縮

ダイニーマ® を使用したロープとスリングはすでに 世界最大のオフショア風力発電所で違いを生み出しています。英国の海岸沖にあるウォルニー・エクステンション・プロジェクトでは、既存のウォルニー1および2発電所の102基のタービンに加えて87基のタービンが建造され、660 MWを発電します。これは46万軒以上の住宅に給電するに十分なエネルギーです。たった87基のタービンでこのレベルの電力を生成するには、巨大な構造物が必要です。ウォルニー・エクステンション・プロジェクトで最も大きい40基のタービンはそれぞれ海底からの高さが220メートル、ブレードは80メートル、重量は最高880トンにおよびます。当然のことながら、このようなタービンの輸送と建設は大きなチャレンジであり、最先端の素材が必要です。

当初、重いモノパイルを所定の位置まで持ち上げるためにポリエステル製スリングの使用が検討されましたが、すぐに、これでは重くて装備に時間がかかり、また、太すぎて容易に扱えないと判断されました。そこで確実なオプションとして登場したのが、ダイニーマ®  SK78を使用したスリングです。モノパイル1本の積み込み・積み下ろし時間が60分短縮され、ダイニーマ®スリングの価値はすぐに証明されました。 この差はプロジェクト全体で計算すれば3日半に相当します。船舶の賃料が毎日数万ドルも上昇する可能性があるため、これは再生可能エネルギーの巨大プロジェクトを経済的に実現可能にする上で重要な要素です。

ウォルニー・エクステンション・プロジェクト

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ダイニーマ®のラッシングチェーンを使用する利点

スコットランドのベアトリス・オフショア風力発電所では、336本の基礎杭を現場まで効率よく運ぶため、ダイニーマ® を使用した繊維リンクチェーンが使われました。ここでの課題は厳しい納期でした。

この杭は、はしけに載せて3ヶ所(ドイツの1ヶ所とオランダの2ヶ所)から輸送されました。この移動に備えて杭をしっかり固定するには長さ16メートル、最小破断荷重(MBL)20トンのラッシングチェーンが必要でした。鋼鉄製チェーンの重量は1本あたり64キログラムにもなります。ダイニーマ® を使用した繊維チェーンは必要な20トンのMBLで、わずか10.2キログラムです。これを使用すれば、クルーは、はしけの片側からもう片方に向けて杭の上に繊維ラッシングチェーンを投げるだけで済みます。クレーンを使用する必要がないため、時間とコストを節約し、かつ安全性を向上させることができました。

ダイニーマ® ファイバーは、風力発電所の設置場所を着床できる浅海から、より遠海へ広げるために必要な最先端の浮体式基礎技術を使用する上で重要になります。

ウィンドフロート・アトランティック・プロジェクトでは、今までに設置された中で最大かつ最強の風力タービンを海上の浮体式基礎に取り入れています。最初は鋼鉄製チェーンを使用した係留システムを使い、5年前に始まりました。しかし、設置・解体中に限界に達したため、同プロジェクトの最新フェーズではダイニーマ®  DM20を使用した係留ラインシステムを使うことになりました。これにより、効率が大きく向上し、アクセスの難しい現場で風力発電所を設置して運用することがより容易になり、経済的にも実現可能になります。

サステナビリティの目標達成

DSMでは再生エネルギー生成で重要な役割を果たしていることを誇りにしています。私たちは国連の持続可能な開発目標(SDGs)を公約に掲げており、その一環として株主とともに気候変動に関して責任ある行動を主張し続ける一方、エネルギーミックスで再生可能エネルギーの使用を増やし、カーボンフットプリントを低減しています。さらに、ダイニーマ® 繊維生産の約75%は再生可能電力ベースです。これは、1万3000台近くの車両を1年間使用しなかった場合のCO₂排出量低減に相当します。

風力発電所のような再生可能電力源が世界で高まるエネルギー需要への回答として認識されることが増える中、ダイニーマ® を使用して作られたロープ、スリング、繊維チェーンは経済的なコストで再生可能エネルギーを実現可能なものにするために重要な役割を果たすことになるでしょう。