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高温に耐える:電動スクーターの部品用のレーザー・ダイレクト・ストラクチャリング

二輪車は、東南アジア全域の個人用車両市場を席巻しており、80%以上の世帯が1台以上保有しています。しかしながら、大気汚染レベルが深刻化しており、毎年約700万人が心臓疾患や脳卒中、肺がん、その他の呼吸器疾患で命を落としているため、政府の規制により、内燃エンジンを使わない電動スクーターを市場に奨励するようになっています。

渋滞の多いアジアの大都市には、電動スクーター市場の成長に対応する巨大な需要があります。内燃機関自動車や電気自動車が高価格であることは1つの大きな理由ですが、駐車場や車の充電ステーションが利用しづらい混雑した市街地では、自動車は不便です。

電動スクーターの部品の多くには、特殊な素材が必要です。DSMの素材製品群は、エレクトロニクス統合のためのレーザー・ダイレクト・ストラクチャリング(LDS)の使用などを含め、これらの用途の具体的なニーズに対応するために設計されています。

エレクトロニクス統合

電動スクーターメーカーは、成形回路部品(MID)を利用しています。これは、電子回路が熱可塑性プラスチック部品に一体化されているものです。LDSは、MIDを製造するのに従来使用されていた2K射出成形工程や熱転写工程に比べ、数多くのメリットを提供します。

2K射出成形と熱転写のいずれも、コンポーネント上に回路を埋め込むために、製品別のツールが必要となります。部品の小型化と複雑化が進むにつれて、ツールのコストも増加し、プロトタイプテスト後に設計変更が必要になった場合は、成形型の変更も必要になります。

LDSは、コンポーネントの射出成形が終わった直後に、任意の3D構造の表面を局所的にめっきするのに使用できます。この構造を1層または2層で完成することができれば、設計オプションは事実上無制限になります。

LDSテクノロジーは、他にも以下のような幅広い利点を設計・製造にもたらします:

  • 部品数、スペース、高さ、コストの大幅な削減
  • 成形型の変更なしに新しい設計の迅速なプロトタイピングと大量生産が可能
  • 新たな機能の統合(半導体やマグネットなどを1つのパッケージに組み込むなど)
  • 設計の単純化とコネクターや配線の減少により、製品の信頼性が向上
  • 製造を3つの処理工程(成形、レーザーストラクチャリング、金属蒸着)に単純化
  • 環境に優しい短時間のプロセス
  • 化学的表面活性化が不要(酸を使用しない)
  • フォトレジストやウェット/ドライエッチングを使用しない

1990年代後半にドイツで発明されて以来、LDS技術は大きな進歩を遂げてきました。現在、LDSの主な特徴は以下の通りです:

  • 分解能:線幅約80µm、ピッチ約50µm
  • レーザードリルバイアスにより第2層接触が可能
  • クリーンルームが不要、強い化学薬品や極度の温度が不要
  • 電気トレースの機械的強度が実証済み
  • AgとCuのマイグレーションを防止する性能が実証済み

LDS製造に使用されている一部の材料(例えばポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(PC/ABS)、ポリフタラミド(PPA)、液晶ポリマー(LCP)など)は、反りや剥離を起こす可能性がありますが、DSMのForTii  LDS用グレードは、鉛を使用しないリフローはんだ付けを必要とする電子部品に適した、バランスの取れた材料を提供するよう開発されています。ForTiiは、高い機械的強度と耐熱性を特徴とし、IPC/JEDEC J-STD 020D準拠の確実なMSL2性能を提供します。肉厚が0.5mm未満の小型化用途では、MSL1レベルの試験も行っています。

LDSは、他のプロセスに見られるような剥離や反りや機械的強度の問題を回避する、実証済みのテクノロジーです。DSMのForTii LDSグレードは、市場拡大を目指す電動スクーターメーカーに最適のソリューションを提供します。

Published on

16 May 2019

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