貴重な化石燃料を守り、二酸化炭素排出量を制限する必要性が、この産業における大きな原動力となっています。そして、環境に優しいサイエンスの力を用いることにより、従来の車を、さらに効率的なものにしています。環境的にも商業的にも受け入れられる電気自動車、ハイブリットカーの時代は、すぐそこまできています。
耐久性、耐熱性、そして急速な伸びを示す再生可能プラスチックといったDSMの製品ラインナップによって、車の構造が変化しています。非経済的で環境に優しくない金属の代替として使用することで、二酸化炭素の排出量削減につながります。
例えば、安全装置として最も重要であるエアバックは、10年前まで金属ベースで作られ、重さが3.2kgもあり、12段階もの製造工程が必要でした。今日では、重量はわずか1.2kgになり製造工程は6段階にまで減りました。
エアバッグの軽量化により燃料消費量が減少、また製造時に使用するエネルギーが低減されました。この革新的な技術はAkulon™ PA6素材の恩恵によるものです。
Akulon™ PA6とは、カプロラクタムを原材料とするポリアミドで、進化型プラスチック製品ラインアップの1つであり、ポリマーとカプロラクタム製造で50年にわたって培ってきた弊社の先進技術を基盤としています。
複合樹脂とパウダーコーティングには、共に興味深い話があります。例えば、革新的な真空注入技術のおかげで、Turane®(チュレーン)は、自動車や飛行機、ロケットのパーツを強化すると同時に、それらをより簡単に製造することを可能にしました。
二酸化炭素の排出は、全ての人々にとって環境面で負担となります。しかし、お客様にとっては経済面でも負担となります。
例えばEUでは、1台の車で二酸化炭素排出量が超過1グラムごとに100ユーロの罰金が科せられています。こうした罰金は増える一方です。
DSMが提供するソリューションはどのようなものでしょうか。カーボンニュートラルプラスチック、エコパックス™の開発が挙げられます。
このプラスチックは、同産業内で最高の70%が生物学的に再生可能です。同様に、スタニール®タイミングチェーンテンショナーはCO2排出を1kmあたり最高2g減少させます。
DSMの複合樹脂は、ルノー・クリオのフェンダーサポートシステムなど、重要な用途への利用が増加しています。その理由は、強度、耐久性、持続可能性の面で重量以上の性能を発揮しているためです。
55%再生可能樹脂である新しいPalapreg®(パラプレグ)ECOをみてみましょう。現在販売されている中で最も再生可能割合が高い一方で、工程基準または製品性能を低下させることはありません。
すでに共同開発を行っているスターター、オルタネーター、バッテリー、ハイブリッドおよび電気自動車の電気モーターのアプリケーションについて、さらに先を見てみましょう。弊社の複合樹脂は、LHアビエーションによる世界で最も燃費のよい小型ジェット機の製造を可能としています。
自動車のパイプやホース、そしてボンネットの下に使用されているDSMの樹脂とプラスチックは、より強力に作動しながらも、ほかの代替素材より長持ちします。重要なポイントは、次世代のエンジンは小型化につれ発熱量が多くなるということです。
当然のことながら、見た目の美しさは重要です(格好悪い車に乗りたい人はいないですよね)。現在、DSMはNeoRez®(ネオレズ)のような車両内装用の乗用車OEMの基準を厳格に満たした溶剤不使用の水溶性コーティング剤を開発しています。これを使用することで、ドライバーは愛車を誇りに思えるようになるでしょう。