DSMエンジニアリングマテリアルズ

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アニーリングは材料の性能と寿命を改善するか?

2019年 6月 6日
  • Frank van der Burgt, PhDDSMエンジニアリングマテリアルズの二次テクノロジーのエキスパートです。

部品メーカーは、多数の要件を巧みに調整するという課題を抱えています。用途において良好に機能し、安全性リスクなしに所定の寿命を全うし、加工サイクルを最適化して時間とコストを削減するような部品を、設計・製造する必要があるのです。

これらの要件の適正なバランスを見つけ出すため、多くのメーカーはアニーリングなどの二次加工工程の回避を強いられています。しかしながら部品の性能と寿命に対するアニーリングのメリットは、多少の労力に報いて余りあるものとなる可能性があります。アニーリングは部品の性能に顕著な改善をもたらす可能性があります。このブログでは、アニーリング工程とその利点および注意点について、少し突っ込んで考えてみましょう。

アニーリング工程を理解する

射出成形工程では、当社の耐高温性ポリアミドStanylなら迅速な固化が得られます。これは迅速な加工サイクル時間にとって利点となる一方、通常の結晶化レベル70%を迅速に達成するため、材料の他の部分は比較的低密度(アモルファス相)になります。このアモルファス相の密度は、アニーリングによって高めることが可能です。

アニーリングとは射出成形部品の熱処理により、水分吸収を低減し、機械的特性を高めるものです。熱処理は不可逆的であり、広範な時間・温度範囲にわたって研究とモデル化が行われています。

ある部品を窒素中230°Cで標準または長時間アニーリング処理を行った場合、非充填Stanylの弾性率と強度は顕著に増加します。これはガラス転移温度を超える温度で特に明らかです。このアニーリング処理により、部品の経時的な(使用中の)寸法変動も低減し(つまり、「アニーリングされていない」部品は使用中に縮む度合が大きくなります)、材料の水分吸収は減少します。

図1:Tgを超える温度での材料特性に対するアニーリングの影響

 

更に、アニーリングにより材料の熱たわみ温度(HDT)が大きく増加します。これは、アニーリングされた部品が荷重下で短期的により高い温度ピークに耐えられることを意味します。Stanylをアニーリングする他の利点として、塩水飛沫に対する耐性の向上(デンソーCaCl2試験とも呼ばれる)が挙げられます。

アニーリングの副作用としては、破断および衝撃時の伸びが低減することが挙げられます。アニーリングをするとサイズ縮小も起こります。これは部品設計の際に考慮に入れることができます。よって、当社ではしばしば、空気中ではなく窒素中での長時間アニーリングをお勧めしています。空気中のアニーリングでは変色作用が大きくなります。標準のアニーリングでは、部品の変色がある程度許容される場合には、空気中でアニーリング処理を行うことが可能です。より長時間のアニーリングでは、窒素下で処理することを強くお勧めします。

アニーリングは、部品の性能を高め、水分吸収を低減し、部品の寸法安定性を高めるための、興味深いオプションとなります。これらにより部品の寿命も延ばすことができます。

ご検討中の部品性能の改善にアニーリングが適しているかどうかについて、当社までご相談ください。製品へのお問い合わせ、またはサンプル請求は、dsm.com/contactdepをご覧ください。

材料特性に対するアニーリングの影響(英語)

 
 

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