DSMエンジニアリングマテリアルズ

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CO2排出規制の強化により、自動車OEMは更なる軽量化が必要に

2018年 10月 30日
  • Nobu Kang(姜 信良)コマーシャル・ディレクター、日本

自動車業界では、世界的にCO2排出量規制が導入される動きが強まっています。例えばEUでは、自動車のCO2排出量を、2015年の1キロメートル当たり130グラムから2020年には1キロメートル当たり95グラムまで削減する規制が導入されます。自動車メーカーは、2015年比で実に27%の排出削減を義務付けられることとなりました。

また、中国では、当局が電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車を「新エネルギー車」と定義し、年間3万台以上を生産する自動車メーカー各社に対して、2019年以降は新エネルギー車を一定割合で生産・販売するよう義務付ける新規制を公表しています。これは、新エネルギー車の導入を促進させることにより、深刻な大気汚染問題の解決を目指しているためです。

全世界を市場とする日本の自動車OEMにとっても、こうした規制への対応は喫緊の課題と言えます。この世界的な大きなビジネス環境の変化を背景に、自動車業界では燃費の向上とそれを実現するための軽量化のニーズがかつてないほど高まっています。

軽量化の実現のため、これまで耐久性、コスト面から金属材料が採用されてきた部品についても、プラスチック素材への転換が注目されています。自動車部品へのプラスチック素材の応用例として、アルミ合金などの金属材料が使われていたエンジンカバーなどの部位へのプラスチックの採用が挙げられます。今後は構造部材への活用の動きが加速すると見られています。

DSMが自動車業界の課題に対するソリューションとして提供している素材がForTii Aceです。 その特長の一つとして、ガラス転移温度の高さが挙げられます。例えばPA66のガラス転移温度は50℃程度ですが、ForTii Aceの場合は160℃と高い。これは、さまざまな分野で金属からの代替を充分に可能とすることを意味しています。

自動車分野で金属部品が好まれてきた背景として、部材の安定性、すなわち部材の軟化が起こりにくいことが挙げられます。エンジンルーム内での物性の安定性を図る温度の目安は、一般に140℃程度とされていますが、ForTii Aceの場合はこの基準を上回る安定性を示しています。

そのほか、ForTii Aceの特徴として、強度、弾性率、耐クリープ性の高さが挙げられます。例えば初期形状をより長く維持するために、長期の使用を想定した部品には高い耐クリープ性能が求められます。この点、ForTii Aceは熱硬化性のエポキシ樹脂に匹敵する長期的形状安定性があり、長期的な物性の信頼性を得ています。

自動車の構造部品への応用では、耐熱性や耐薬品性に加え、生産・加工における成形性の容易性も求められます。たとえば、自動車の生産ラインでは成形に要する時間(タクトタイム)の影響が大きく、成形に5~10分以上を要する熱硬化性プラスチックでは対応できません。そこで、これまで熱硬化性樹脂が優位性を持っていた耐熱性や機械的強度に関して、ポリアミドをはじめとする熱可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチックに比肩する性能を持たせるべく開発が進められてきました。自動車が使用される過酷な使用条件に耐えられ、構造部材に必要な耐熱性・耐薬品性をクリアし、かつコスト面で事業性を成立させることができる素材がForTii Aceなのです。

EU、中国、インドなど、自動車を巡る環境規制は日々強化されています。世界を市場とする日本の自動車産業において、ForTii Aceの採用によって更なる軽量化が加速されることと期待しています。

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