Talking Nutrition編集部
この研究結果はこの種の研究としてはこれまでで最大級で、5.3年にわたり25,871人の参加者を追跡しています。
一次所見では、様々な機能をもつビタミンDが、浸潤性がんや主要心血管系疾患の発生率においては統計学的に有意な影響を及ぼさないことが明らかになった一方で
オメガ3に関する二次所見はかなり興味深いものでした。1日1グラムのオメガ3摂取(460mgのEPA + 380mgのDHA = 840mg)が、心臓発作の総合的リスクを28%、致死的リスクを50%減少させることがわかったのです。言い換えると、総合的リスクにおいて約4人に1人、致死的リスクにおいて2人に1人の心臓発作による死亡率を低下させることが示されています。
また、冠状動脈性心疾患全体では、オメガ3摂取は17%のリスク減少をもたらしました。特に減少が顕著だったのは、食事による魚の摂取量が少ない人々とアフリカ系アメリカ人でした。アフリカ系アメリカ人では、毎日オメガ3脂肪酸を摂取することで、心臓発作リスクが77%も有意に減少しました。
週に1〜2回の頻度で魚を食べていない人では、オメガ3の摂取が心臓発作の40%減少につながりましたが、魚を食べている人においてはそのような関連性は見られませんでした。
DSMのGlobal Lipid Science and AdvocacyのディレクターであるKeri Marshall(M.S., N.D.)によれば、「VITAL試験の副次的結果は非常に説得力があり、二次的所見であっても見落とされるべきではありません。心血管疾患は世界中で第1位の死因であり、公衆衛生への影響は計り知れません。比較的低用量のオメガ3系DHA・EPAサプリメントを毎日摂取することで、食事上の推奨量を満たしていない方においても、心臓発作リスクを40%減少させることができました。この利点はリスクをはるかに上回るものです。今後のさらなる研究も有益と思われますが、この結果と潜在的なコスト削減可能性も重要視されるべきです」と話しています。
VITAL研究は最も包括的な研究の一つで、この結果はCVDリスク低減のためのオメガ3摂取使用の有用性を立証しています。それではそのほかのエビデンスにはどのようなものがあるのでしょうか。
米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)栄養補助食品局(Office of Dietary Supplements:ODS)ii、欧州委員会(European Commission:EC)欧州食品安全機関(European Food Safety Authority:EFSA)2012年13.1条健康強調表示において、心臓の健康に対するオメガ3の利点が支持されています。iii
ODSのオメガ3啓蒙ウェブサイトでは、より高いオメガ3レベルが冠動脈性心疾患をはじめとする複数の慢性疾患のリスク低下と関連していることを示すエ医学研究所の声明を掲載しています。これは、摂取量をほんのわずか高めることで多くの人がその機能を享受することができることを示唆しています。
このような意義ある研究結果が発表されているにもかかわらず、世界中の多くの人が依然としてオメガ3の1日の最低必要量を満たすことができていません。iv
Marshallは、「アメリカの食事ガイドラインでは現在、週に2回の魚介類を摂取することが推奨されていますが、ある調査によると、大半の人がこの量を摂取できていないようです。実際に、アメリカ人の約95%が心臓を保護するのに十分なレベルのオメガ3を摂取できていません」と話しています。
これには様々な理由があります。食品からの十分量の摂取が理想的ではありますが、コストや、食の好み、アレルギー等の理由で、魚介類を食べることが選択肢とならない場合があります。
このような場合、毎日の必要量を満たすために、オメガ3サプリメントを摂取する必要があります。
オメガ3の最適な摂取量について、詳しくはホワイトペーパーをご覧ください。
14 December 2018
4 min read
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JoAnn E MansonがVITAL試験の主な結果と、心血管疾患やがんの一次予防におけるビタミンDとオメガ3脂肪酸摂取の重要性についてお話しします。
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