Tokyo, JP, 16 10 2014 04:00 CEST
ライフサイエンスとマテリアルサイエンスのグローバル企業であるDSM社(以下 DSM)は、Frost & Sullivan社(以下 F&S社)が主催する「Frost & Sullivan Best Practices Awards」にて、「2014 Europe Frost & Sullivan Award for Customer Value Leadership」を受賞しました。同賞は、顧客価値向上に戦略的に取り組み、高い費用対効果が見込める製品・サービスを提供した企業を表彰するものです。
受賞対象は、高機能樹脂を用いた金属代替による電動パワーステアリングシステム(EPS)の軽量化です。燃費向上と二酸化炭素排出量の抑制により、システムサプライヤをはじめとする自動車メーカーのカーボンフットプリント削減に貢献していることが顧客価値向上にあたると認定されました。さらに、この軽量化が自動車業界における新基準となり、同業界の発展を後押しするとの評価を受けました。
DSMでは、電動パワーステアリング(EPS)のギヤやフレックスカプラー、ギヤボックス等の素材として高機能樹脂をシステムサプライヤに供給しており、部品の軽量化と性能向上に貢献しています。フレックスカプラーにはStanyl®ポリアミド46を用い、金属製と比べて17%軽量化し、さらに騒音や振動を低減しています。また、ギヤボックスではArnite® PETを適用し、従来のアルミダイカスト製と比べて最大50%の軽量化を実現するとともに、加工プロセスの削減で30%のコスト制限が見込まれます。
他にも、優れた耐摩耗性や耐久性、そして耐熱性を有する植物由来の高機能樹脂EcoPaXX™ポリアミド410をウォームギヤへ適用すれば、従来のポリアミドに比べ、40%もの二酸化炭素排出量の削減効果が期待できます。
これらの部品の樹脂化は、DSMが開発した様々な解析システムを用いながら、自動車メーカーやシステムサプライヤと密接な研究開発を行って実現したものです。DSMでは、今後も、日系メーカーに対し、横浜の研究拠点を起点として自動車部品の樹脂化推進を支援していくことで、顧客価値の向上に努めていきます。
高機能樹脂によるアルミダイカスト代替では、サンドブラストやねじ切りといった後処理工程を省略することができ、製造用の金型寿命は最大5倍に至ります。樹脂の場合、単一の金型寿命において約100万個の部品を製造することが可能になります。
また、例えば、樹脂製のコラムEPS(C-EPS)ハウジングを設計する際には、ウォームギヤやEPSギヤを正確に設置してそれを長期にわたり保持する必要があるなど、金属代替を促進するためには、自動車部品に関する深い知識が必要になります。DSMは自動車業界におけるさまざまな要求・要件を理解し、機械的特性や寸法安定性という観点から最高の素材を提供することにより、最適なソリューションを提供しております。
DSMは、自動車メーカーやシステムサプライヤと部品設計の初期段階から密接なやり取りをすることで、顧客企業の求める高品質で低コスト部品の開発支援を行っております。そこでは、FMEAを活用し、部品形状や樹脂の改良に役立てています。また、部品設計のために各種システム*を開発・導入しています。
* クランピングやオーバーモールドと同程度の精度でベアリングするために圧入計算を手掛けるCAE
* リブの設置位置や肉厚を最適設計するための、構造解析や樹脂流動解析、有限要素解析(FEA)モデル
DSMでは技術革新を伴う更なる金属代替を推進し、ラック式EPS(R-EPS)における構成部品、例えばベルト駆動タイプにおけるプーリー、センサーカバー、ポジショナー、ハウジング類の樹脂化に注力する方針です。この技術は、ステアリングシステムだけでなく、自動車のパワートレインや、安全装置など、他の領域に幅広く適用することが期待されています。
「Growth Partnership Company」であるFrost & Sullivanは、お客様と協力し、グローバルな課題やそれに関連する成長の機会に取り組み、ビジョナリーイノベーションを遂行していきます。
「Growth Parnership」では、成長の機会に取り組むこと、そしてイノベーションを推進するための2つのキーポイント:「The Integrated Value Proposition」、「The Partnership Infrastructure」によりお客様をサポートしています。
調査、分析、戦略、ビジョン、イノベーション、そして遂行を含む、イノベーションへのあらゆるフェーズを活用したサポートをお客様に提供します。
ビジョナリーイノベーションが可能となるための基盤を構築するユニークなソリューションです。360度調査、総合的業界カバレッジ、キャリアベストプラクティスだけではなく、40以上のオフィスからなるグローバルネットワークを有しています。
Frost & Sullivanは、50年以上にわたり、グローバル1000企業や、新興企業や公共部門、そして投資団体のために成長戦略を展開してきました。あなたの組織は、次の業界収束の波や、破壊的な技術、競争力増加、メガトレンド、画期的なベストプラクティス、そして顧客ダイナミクスの変化や新興経済に向けて準備はできていますか?
Frost & Sullivan Best Practices Awardsは、リーダーシップや、技術革新、顧客サービス、戦略的製品開発において優れた業績や実績を残した、様々な地域や世界的市場の企業を評価するものです。業界アナリストが、詳細なインタビューや、分析、広範な二次調査により市場参加者を比較し、各社のパフォーマンスを測定して業界内でのベストプラクティスを決定します。
Frost & Sullivanでは、毎年、サービスや製品において顧客が創出した投資収益の改善にフォーカスしており、その顧客価値を創造する戦略において卓越性を示した企業にこのアワードを授与しています。このアワードは、企業が、単なる優れた顧客サービスを越えて、顧客維持や顧客基盤の拡大に繋がる価値の創造に注力することを評価するものです。
DSM社は、科学をベースとして健康、栄養、材料分野で活躍しているグローバル企業です。ライフ サイエンスとマテリアルサイエンスにおける独自の技術を組み合わせることで、経済的繁栄、環境問題への取り組み、そして社会の発展を促進し、DSMと関わる全ての人々にとって持続可能な価値を創造 します。また、DSMは食品や栄養補助食品、パーソナルケア、飼料、ファーマシューティカルズ、医療機器、自動車、塗料、電気・電子機器、ライフプロテクション、代替エネルギー、バイオ素材などの グローバル市場において、顧客企業の業績向上・維持に貢献できる革新的なソリューションを提供します。年間の純売上高はおよそ100億ユーロで、NYSE Euronextに上場しており、社員数は24,500名です。詳細については www.dsm.com をご覧ください。
* 本リリースは2014年6月4日にDSM社から発表されたプレスリリースを抄訳したものです。
将来予測に基づく記述
本プレスリリースには、将来予測に基づく記述が含まれています。これらの記述はDSM経営陣による現時点での期待、推定、予測、および現時点で当社が入手可能な情報に基づいています。これらの記述には、予測が困難な特定のリスクと不確実性が含まれることから、DSMはその予測の実現については保証しません。また、DSMは本プレスリリースに含まれる記述を更新する義務を負いません。