SPE Automotive Innovation Awardsの「パワートレイン部門賞」を共同受賞

DSMの植物由来の高機能樹脂EcoPaXX™を採用したクランクシャフトカバー

ライフサイエンスとマテリアルサイエンスのグローバル企業であるDSM社は、フォルクス   ワーゲン社とKACO社他2社とともに、米国プラスチック技術者協会(SPE - Society of Plastics Engineers)が主催するSPE Automotive Innovation Awards Competition and Galaにおいて、「パワートレイン部門賞」を共同受賞しました。受賞したのは、DSMの植物由来の高機能ポリアミド410「EcoPaXX™」を素材とするクランクシャフトカバーで、環境 優位性とコストダウンの両立を評価されました。なお、同部品は、KACO社がDSMと共同で 開発したもので、フォルクスワーゲン社が採用しています。

SPE Automotive Innovation Awards Competition and Gala

SPEが開催するAutomotive Innovation Awardsは、樹脂製の自動車用部品やモジュールを対象としており、同部品を対象としたアワードの中では、今回で44回目と世界で最も古く、最大規模のアワードです。

環境優位性とコストダウンが評価される

受賞部品は、植物由来の高機能樹脂EcoPaXX™をパワートレインコンポーネントに初めて採用したものです。100%カーボンニュートラルであることのほか、同形状のアルミ製クランクシャフトカバーと比較して40%軽く、燃費向上と二酸化炭素排出量の削減に貢献している点が評価されています。また、同形状のアルミ製部品に比べて製造コストを25%削減しました。なお、本部品は、フォルクスワーゲングループのMDB‐4TDIディーゼルエンジンの最新モデルに向けて、ドイツの自動車部品メーカーKACO社が開発しました。このエンジンは、VW、Audi、Seat、Skodaなどの様々なモデルに適合しています。

DSMでは、この度の受賞を励みに、今後も世界のトレンドを反映した最先端の用途開発に力を入れ、そこで得た知見を、日本国内の研究開発拠点(Japan Technical Center)における日系自動車メーカーとの用途開発に活用していく考えです。

<参考資料>

KACO社による独自の製造方法

受賞部品は、プラズマ照射による活性化(プラズマアクティベーション法)したPTFE製動的シールと50%ガラス繊維強化のEcoPaXX™をインサート成形した後、液状シリコーンゴム製静的シールと共成形して製造します。
なお、溶剤などによるウェットプロセス法の代わりとなるプラズマアクティベーション法は、KACO社が開発および特許を取得しています。

EcoPaXXをクランクシャフトカバーに初採用

以下の特徴により、EcoPaXX™のパワートレインコンポーネントへの初採用を実現しました。

  • 低吸水性により、高い寸法安定性を実現
  • 幅広い耐熱温度(常時使用温度範囲-40℃~150℃、瞬間温度170℃)
  • 高い耐油性(エンジンオイルとディーゼルオイルへの耐性)
  • 優れた接着性(シリコーンゴム製シールやPTFEシールとの接着性、鋳鉄製エンジンブロックやオイルサンプと密着するためのシリコーンゴム製シールとの更なる接着性)

KACO社Head of project management, Andreas Genes氏のコメント;

このプロジェクトでは、持続可能性に対して総合的なアプローチを実施しました。動的PTFEシールでフリクションを最小限に抑えることでクランクシャフトカバーの樹脂化をサポートし、製造プロセスでは完全にごみをなくして、部品素材の持つ高い持続可能性を最大限活用したのです。

DSM – Bright Science. Brighter Living.

DSM社は、科学をベースとして健康、栄養、材料分野で活躍しているグローバル企業です。ライフサイエンスとマテリアルサイエンスにおける独自の技術を組み合わせることで、経済的繁栄、環境問題への取り組み、そして社会の発展を促進し、DSMと関わる全ての人々にとって持続可能な価値を創造します。また、DSMは食品や栄養補助食品、パーソナルケア、飼料、ファーマシューティカルズ、医療機器、自動車、塗料、電気・電子機器、ライフプロテクション、代替エネルギー、バイオ素材などのグローバル市場において、顧客企業の業績向上・維持に貢献できる革新的なソリューションを提供します。年間の純売上高はおよそ90億ユーロで、Euronext Amsterdamに上場しており、社員数は21,000名です。

詳細については www.dsm.com をご覧ください。

* 本リリースは2014年11月13日にDSM社から発表されたプレスリリースを抄訳したものです。

プレスリリース

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