第4回DSMヘルスアカデミー『ヘルスケア業界のビジネスドライバー』を開催

第4回DSMヘルスアカデミー『ヘルスケア業界のビジネスドライバー』を開催

Tokyo, JP, 15 10 2015 04:00 CEST

変革を迎えるヘルスケア業界におけるビジネス成長の機会を探る  

DSMニュートリションジャパン株式会社では、9月16日(水)イイノホール&カンファレンスセンターにて、食品・飲料メーカーや健康食品メーカーの方々を対象とした“ブランドサポート”の一環として旬な情報をお届けする『第4回DSMヘルスアカデミー』を開催いたしました。

ヘルスアカデミーでは例年、微量栄養素の最新の研究データを紹介しておりましたが、本年は日本と世界のヘルスケア業界が変革を迎えている中で、日本の企業がビジネスを成長させるための3つの成功要因:ビジネスドライバーをテーマに講演を行いました。

ドライバー① 輸出強化              ・・・ 世界の栄養摂取動向とASEANの市場情報

海外進出に必要な情報として、ASEANを中心とした世界の栄養摂取状況や商品トレンド、法規制等の輸出サポート情報をDSMより紹介しました。

ドライバー② 新ビジネスモデル  ・・・ 健康ビジネス創出による市場拡大効果とチャネル開拓

ICTを活用し、エビデンスに基づいた健康指導を行うベンチャー企業である株式会社ハビタスケアの德渕代表取締役社長より同社の成功事例をご紹介いただくことで、今後のヘルスケア業界が目指すべきイノベーションの方向性の1つを探求しました。

ドライバー③ 機能性表示       ・・・ 機能性表示の有効活用

大阪大学の森下竜一教授より、「どのように機能性表示を活用すべきか」という視点で同制度の 現状や将来的な発展の予測について講演していただきました。

左から:佐次本 英行(DSMニュートリションジャパン)、德渕 慎一郎氏(ハビタスケア)、森下 竜一 氏(大阪大学大学院)、マンフレッド・エッガースドルファー (DNP)、中原 雄司(DSM Japan)、ジュネジャ プラティーク(DNP

以下に、講演の概要について、ご紹介します。

■ASEANの栄養状況と新しい知見 
   ~規制とハーモナイゼーションの視点から~
DSM ニュートリショナルプロダクツ ニュートリションサイエンス担当副社長
マンフレッド・エッガースドルファー

人口増加、経済成長などに急速に市場が拡大しているASEANでは、栄養素の欠乏が未だ問題となっている地域がある一方で、高齢化や糖尿病、食生活の変化による栄養の偏りなど先進国と同じ課題を抱える地域もあります。本講演では、異なる人工グループごとに栄養強化商品を展開し、各グループの栄養摂取上の課題を解決することがビジネスチャンスに繋がるという考えから、ASEANを中心にアジア諸国が抱える課題の最新の知見についてご紹介しました。

<主な栄養摂取上の課題>

アジア全体でビタミンD欠乏症が発生しており、各国が摂取量引き上げに取り組んでいます。

ビタミンEは、脂肪肝疾患の治療に有効であるなどアジア人に必要な栄養素ですが、先進国を含むアジア全域で摂取が不足しています。なお、ビタミンEは、アルツハイマーのリスク低減や進行抑制効果の研究が進んでします。

循環器系疾患が死亡の61%(欧州では79%)を占めるなど増加しており、DHAの摂取による改善が求められています。

糖尿病の拡大が著しく、また、アジアの大部分で大人の25%以上が肥満であることから、天然オート麦由来の「OatWell®」のような血糖値のコントロールを目的とした成分が求められています。

■ASEANマーケットへの参入について
DSMニュートリショナルプロダクツ アジアパシフィック地域本部シニアマネージャー
ジュネジャ プラティーク

急成長を遂げているASEAN市場では、食品飲料においてグローバルトレンドを取り込む傾向にあります。その1つとして、健康や機能を謳った商品が勢いを増しており、特に自然由来の機能性成分が好まれる傾向にあります。

また、商品の多様化により、消費者の選択肢が広がったことで、ASEANへの進出にはマーケティング活動がより重要となっています。そこで本講演では、こうしたASEANの市場動向とともに、DSMが2014年にシンガポールに新設したイノベーションセンターを起点に顧客企業へ行っているブランドサポートについてご紹介しました。

なお、同サポートでは、栄養素のエビデンスや、世界中のマーケティングデータをもとに体系化した商品コンセプト、各国のトレンド情報を用いて製品開発からマーケティング活動まで、一貫したサポートを展開します。

■次世代健康コンシェルジュサービスの展開
  ~ハビタスケア×東京大学COIの取組~
株式会社ハビタスケア 代表取締役社長 德渕慎一郎 氏

近年のヘルスケア業界では、オープンイノベーションによってICTの活用が進み、新たなビジネスモデルの誕生やインフラ面でのイノベーションが活性化して  います。中でも、個々の健康状態に合わせた栄養摂取や健康管理指導を行う 『パーソナライズドニュートリション』を提供する企業が徐々に増加している ことは、日本政府の目指す予防医療の進展に繋がるだけでなく、新たなチャネルを開拓し、消費者の栄養素への関心を高めて市場を活性化させることが期待できます。

そこで本講演では、東大COIのヘルスケアプロジェクトの1つとして糖尿病予防に関する健康指導サービスを展開されている株式会社ハビタスケアの德渕代表取締役社長より、同社の取り組みを紹介していただきました。德渕氏は、エビデンスの乏しいヘルスケアサービス/情報が氾濫している日本の現状を強調され、その状況を是正する1つのソリューションとして同社が目指している『次世代健康コンシェルジュ』(ヘルスケア関連データの集約、検査の信頼性向上、それによる各ユーザーにあわせてカスタマイズしたエビデンスのあるサービスを提供すること)の構想についてお話されました。

■機能性表示により広がるビジネスチャンス
大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学 教授 森下 竜一 氏

機能性表示のスタートから約半年が経過したことを受け、本講演では大阪大学大学院の森下教授をお招きし、機能性表示制度の意義やルールについて再確認をしました。現時点での届出の傾向などについてもお話をいただき、届出の受理に時間がかかるケースが多いことを課題として挙げ、その原因としてよくある問題点や届出の注意事項を紹介していただきました。

また、機能性表示制度の対象外となっているビタミンの取り扱いについて、消費者庁が近く議論を始めるとの見解を示されました。

DSM – Bright Science. Brighter Living.TM

DSM社は、科学をベースとして健康、栄養、材料分野で活躍しているグローバル企業です。ライフサイエンスと マテリアルサイエンスにおける独自の技術を組み合わせることで、経済的繁栄、環境問題への取り組み、そして 社会の発展を促進し、DSMと関わる全ての人々にとって持続可能な価値を創造します。また、DSMは食品や栄養補助食品、パーソナルケア、飼料、医療機器、自動車、塗料、電気・電子機器、ライフプロテクション、  代替エネルギー、バイオ素材などのグローバル市場において、顧客企業の業績向上・維持に貢献できる革新的なソリューションを提供します。年間の純売上高はおよそ100億ユーロで、Euronext Amsterdamに上場しており、社員数は25,000名です。

詳細については www.dsm.comをご覧ください。

プレスリリース

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詳細について:

ディー・エス・エム ジャパン株式会社
大木
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