プレスリリース

DSM、Erber Groupの買収により、機能性アニマルニュートリション事業をさらに強化

Tokyo, JP, 25 06 2020 09:00 JST

栄養、健康、持続可能な暮らしの分野で事業を展開するグローバル・サイエンス企業であるRoyal DSMは、Erber  Groupを企業価値9億8,000万ユーロで買収することで合意に達したことを発表しました。取引価格を示すEV/EBITDA倍率は、2020年度(2020年9月期)のEBITDAの約14倍に相当します。今回の取引において、Erber Groupの小規模部門2部門は対象外となります。

Erber Groupの機能性アニマルニュートリション事業を担うBiomin 社およびRomer Labs社は、マイコトキシン(カビ毒)のリスク管理、消化器官の健康度管理、および食物と飼料の安全性診断ソリューションに特化しており、今回の買収により、高い付加価値を提供するDSMのアニマルニュートリション事業ポートフォリオが拡充されます。また、Romer Labs社の買収は、DSMが食品業界のお客様に提供しているヒューマンニュートリション事業を補完します。Erber Groupの総売上の7%を占めるSanpharおよびEFB事業は、本取引には含まれていません。

取得する事業の総売上高は3億3,000万ユーロで、2020年3月末までの12ヵ月間の調整後EBITDAマージンは20%以上、過去5年間の既存売上高の成長率は、10%弱です。DSMは今後も健全なバランスシートを保ち、高い投資適格格付けを維持するよう努めます。

最先端の研究・製造施設を持ち、全世界に約1,200人の従業員を抱えるErber Groupの買収は、2社のサービスを組み合わせたソリューション、グローバルな顧客基盤、これまで自社でサービスを提供していなかった地域へのサービス提供が可能になる、といったシナジーにより、収益の増加が実現できる戦略的な取り組みといえます。オーストリアに拠点を置くErber Groupの買収により、DSMは、マイコトキシン(カビ毒)のリスク管理市場に世界的リーダーとして参入することに加え、急速に成長している畜産動物の消化器官内の健康管理におけるトップサプライヤーの1社としての地位の確立を目指します。

マイコトキシン(カビ毒)は、家畜用飼料に常在する真菌が増殖して産生される汚染物質で、畜産動物と人の健康を脅かします。マイコトキシン(カビ毒)は、病気のリスクを高めるだけでなく、飼料の栄養価も低下させます。Biomin社が特許を取得している専有技術は、マイコトキシン(カビ毒)対策として現在商業化されている最先端の科学的技術です。また、Biomin社は抗生物質の代替が可能な植物性機能成分やプロバイオティクスを含む飼料を生産する主要な企業であるため、世界的に急成長している畜産動物の消化器官内の健康を改善するユーバイオティクス市場においてDSMの地位の確立に貢献します。

Romer Labs社は、診断技術で業界をリードする企業であり、イノベーティブなテストソリューションを提供しています。このソリューションは、飼料や食品中のマイコトキシン(カビ毒)、食品のアレルギー誘発物質や病原体のほか、畜産動物の残留薬剤を分析するもので、オーストリア、英国、米国、およびシンガポールにある認定総合研究所で実施しています。今後は、DSMの食品・飲料分野、および飼料分野の広範かつグローバルなお客様に、Romer Labs社の専門知識とデータに基づいた品質保証サービスを提供していく予定です。

Erber Groupの買収により、DSMは排出量の削減、原料消費効率、水と土地の有効利用に注力しつつ、農家の生産性とサステナビリティを追求し、アニマルニュートリションとに関する知見を深め、リーディングカンパニーとしてお客様にソリューションを提供していきます。

DSMの共同CEOであるGeraldine MatchettとDimitri de Vreezeは次のように述べています。「Biomin社とRomer Labs社は、収益の成長と魅力的な利益という強力かつ持続的な実績を伴う素晴らしい会社です。当社の専門である家畜用飼料と健康に関するサービスのほか、当社のビッグデータや診断能力を強化し、その成長をけん引してくれるでしょう。これらの事業を新たなステージへと共に発展させることを非常に楽しみにしています。Erber Groupの従業員は当社の「目的主導」ミッション(地球と人類のサステナビリティと企業の成長を同時に実現する)を共有しており、DSMに素晴らしい影響をもたらしてくれることをすでに実感しています。」

Erber Groupの創設者兼社長であるErich Erber博士は次のようにコメントしています。「DSMには、相互に価値がある持続可能なスチュワードシップがあると感じています。これは当社にとって非常に重要です。世界は畜産農業による環境への影響を削減すると同時に、100億人に食料を供給するため、2050年までにタンパク質の生産量を増やさなくてはなりません。そのためには、可能な限り再生可能な材料を使用してタンパク質をサステナブルに生産し、かつ畜産動物の健康を守る必要があります。DSMは当社の事業にとって完璧な基盤です。Biomin社とRomer Labs社が、DSMと一緒に事業を展開することで、当社が一体となって取り組んでいる世界のサステナブルな食糧供給の実現に向けた活動を、さらに強化することができます。」

慣習的な条件による取引は2020年の第4四半期に終了する予定です。

詳細情報は、投資家向けの資料をご参照ください。

詳細について

原田 愛 (Ai Harada)

DSM Japan
広報担当
03-5404-8336